相続税を減らす!相続財産を寄附することのメリットと仕組み

相続税を減らすための有効な手段として「寄附金控除」があります。相続財産を寄附することで税負担を軽減し、社会貢献も同時に果たすことができます。この記事では、相続に関する知識が浅い方でも理解できるように、寄附金控除の仕組みやメリット、具体的な活用方法、専門家の役割について詳しく解説します。ぜひ最後までお読みください。

寄附金控除とは?

寄附金控除の基本

寄附金控除とは、相続財産を特定の団体に寄附することで、その金額を相続税の計算から控除する制度です。これにより、相続税の負担を軽減することができます。

例えば、相続人の内の一人が遺産として現金1,000万円を相続したとしましょう。このうち100万円を寄附すると、その100万円は相続税の計算から除外されます。つまり、相続税は残りの900万円に対して課税されるのです。この制度は、相続税を減らしたいと考える方にとって大変有利な方法です。

寄附金控除の対象となる寄附先

寄附金控除の対象となるのは、公益性の高い団体や機関です。具体的には、以下のような団体が該当します。

  • 公益法人:公共の利益を目的として活動する法人です。例えば、学校法人や病院などが該当します。
  • 認定NPO法人:国や地方公共団体に認定された非営利の団体です。
  • 地方公共団体:都道府県や市区町村などです。

これらの団体に寄附することで、寄附金控除を受けることができます。しかし、寄附先によっては控除の対象とならない場合もあるため、事前に確認することが重要です。

相続税を減らすための寄附金控除のメリット

【メリット1】寄附した分の相続税が非課税になる

相続税の申告期限内に、国や地方公共団体、特定の公益法人、認定NPO法人へ寄附した場合、寄附した分の相続税が非課税になります。

例えば、現金100万円を寄附した場合、その100万円は相続税の課税対象から外れます。これにより、残りの財産に対して相続税が課されます。この仕組みを活用することで、相続税の負担を軽減できるのです。

ただし、相続財産を売却し現金化してからの寄附は対象外です。直接財産を寄附する必要があります。

【メリット2】所得税の寄附金控除を受けられる

国や地方公共団体、特定の公益法人に相続財産を寄附した場合、相続人の所得税の確定申告で寄附金控除を受けることができます。具体的には、寄附金額から2,000円を差し引いた金額が所得税から控除されます。

所得税の寄附金控除額は、次の計算式で求められます。(寄附した金額-2,000円)×所得税率×1.021(復興特別所得税の税率)寄附金額から2,000円を差し引き、所得税率に1.021をかけた金額が所得税から減額されます。寄附できるのは年間総所得の40%、控除額は所得税額の25%が上限です。

【メリット3】住民税の寄附金控除を受けられる

相続した財産を国や地方自治体、特定の公益法人などに寄附した場合、住民税の控除も受けることができます。住民税の寄附金控除には「基礎控除」と「特例控除」の2つがあります。

例えば、100万円の寄附をした場合、基礎控除では98万円が住民税の控除対象となります。特例控除では、寄附金額から2,000円を差し引いた金額に90%を掛けた金額が控除されます。ただし、特例控除は特定の自治体への寄附に限られます。

住民税の基礎控除額の計算方法は以下のとおりです。

(寄附した金額-2,000円)×10%この計算で出た値が住民税から減額されます。ただし基礎控除の対象は、総所得金額の30%が限度です。

特例控除額は以下の計算で求められます。

(寄附した金額-2,000円)×(90%-所得税率×1.021)特別控除が受けられるのは総務大臣が指定する地方自治体(都道府県・市区町村)へ寄附した場合のみです。

寄附金控除の具体的な手続き

寄附金控除を申告する手順

寄附金控除を受けるためには、相続税の申告書に必要事項を記入し、寄附金控除の適用を申請します。

具体的には、相続税の申告書に寄附金控除の欄が設けられており、そこに寄附金の金額や寄附先の情報を記入します。また、寄附受領証明書などの必要書類を添付して申請します。

寄附金控除に必要な書類

寄附金控除の申告には、以下の書類が必要です

  • 寄附受領証明書:寄附先から発行される証明書です。これがないと寄附金控除を受けることができません。
  • 相続税の申告書:寄附金控除の申請を行うための書類です。

寄附金控除の申告期限

寄附金控除を受けるためには、相続税の申告期限内に申請を行う必要があります。相続開始日から10ヶ月以内が申告期限となります。この期限を過ぎると寄附金控除を受けることができなくなるため、注意が必要です。

専門家の役割

税理士の役割

税理士は相続税の申告に関する専門的な知識を持っています。寄附金控除の適用を受けるための具体的なアドバイスを提供し、適切な申告をサポートします。申告に必要な書類の準備や提出を代行することで、手続きの負担を軽減します。日本相続知財センター札幌のグループの相続専門税理士が担当いたします。

日本相続知財センター札幌の役割

日本相続知財センター札幌は、相続手続き全般に関するサポートを提供します。相続専門税理士と協力して、相続税申告の手続きを円滑に進めるための支援を行います。

よくある質問(Q&A)

  • 寄附金控除を利用できる寄附先は、公益性の高い団体や機関に限られています。具体的には以下のような団体が該当します。

    – 公益法人:公共の利益を目的として活動する法人です。例えば、教育機関や医療機関などが含まれます。
    – 認定NPO法人:内閣府や地方公共団体により認定された非営利団体です。社会的課題の解決に取り組む団体が多いです。
    – 地方公共団体:都道府県や市区町村などの自治体です。

    これらの団体に寄附することで、寄附金控除を受けることが可能です。寄附を考えている団体が控除対象かどうかは、事前に確認しておくことが重要です。

  • 寄附金控除を申告する際には、いくつかの注意点があります。まず、寄附先が寄附金控除の対象であることを確認することが大切です。控除対象外の団体に寄附しても控除は受けられません。

    次に、寄附を証明するための書類、例えば寄附受領証明書を必ず受け取っておきましょう。これらの書類は、確定申告時に必要となります。

    また、寄附金控除の申請は相続税の申告期限内に行わなければなりません。この期限を過ぎると控除を受けることができなくなるため、早めに手続きを進めることが重要です。

  • 寄附金控除の適用範囲は、寄附先や寄附金額によって異なります。例えば、国や地方公共団体、特定の公益法人、認定NPO法人などに対する寄附は、基本的に控除の対象となります。詳細は日本相続知財センター札幌をはじめ、相続専門税理士など専門家にご相談ください。

この記事の監修者

税理士法人 中野会計事務所  税理士 湯山 啓太

税理士法人 中野会計事務所
税理士 湯山 啓太

大学卒業後、複数の会計事務所において法人税業務に加え、個人および法人の相続・贈与・事業承継などの資産税業務の担当として勤務したのち、2019年10月より税理士法人中野会計事務所に所属。千葉県税理士会 所属、登録番号118096。相続税申告を数多く手掛け、個人から法人まで税務についての幅広いサービスを提供している。

無料相談はこちら

初回相談は無料です。どうぞお気軽にご連絡ください。

お電話の方はこちら

0120-750-279

受付時間 平日9:30〜18:00(土日祝日休業)