これで安心! 不動産相続後の売却で失敗しないためのガイド

相続した不動産を売却する際のプロセスや注意点について詳しく解説します。初めての方でも分かりやすい内容となっていますので、安心して読み進めてください。

相続不動産の売却手続きと準備

不動産相続の基本手続き

相続不動産を売却する前に、まず相続登記を行うことが重要です。相続登記とは、不動産の名義を亡くなった人から相続人に変更する手続きです。この登記を行わないと、売却手続きが進められないだけでなく、将来のトラブルの原因にもなります。

相続登記の手続きは、遺産分割協議や遺言による遺言執行を経て行われることがほとんどです。遺産分割協議は、相続人全員が集まり、相続財産の分割方法を話し合うことです。遺言執行は、被相続人が残した遺言に基づいて相続手続きを進めることです。相続登記は法務局で行うことができ、専門家に依頼することも可能です。

売却のための準備と流れ

不動産を売却するためには、まずその評価と査定が必要です。評価とは、不動産の価値を見積もることを指します。これには、不動産の所在地、面積、築年数、周辺環境などが影響します。査定は、不動産業者が市場価値を基に売却価格を算定する作業です。評価と査定を基に、売却価格を決定します。

売却の流れとしては、以下のステップがあります。まず、売却のスケジュールを立て、次に不動産の宣伝活動を行います。購入希望者が現れたら、価格交渉を行い、売買契約を締結します。契約後は、引き渡し手続きと所有権の移転登記を行います。これらの手続きは、不動産業者や司法書士と協力して進めることが一般的です。

相続不動産売却の税金と節税対策

譲渡所得税について

相続した不動産を売却すると、譲渡所得税という税金がかかります。譲渡所得税は、不動産の売却によって得た利益に対して課される税金です。つまり、売却した際に利益が出た場合にのみかかります。譲渡所得は、売却価格から取得費(購入時の価格や改修費用など)と譲渡費用(仲介手数料や登記費用など)を差し引いた金額です。これに対して、一定の税率が適用されます。

相続した不動産を売却する場合、多くの場合、長期譲渡所得として扱われます。長期譲渡所得とは、所有期間が5年を超える資産の売却による所得を指します。長期譲渡所得の税率は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%を合計した20.315%です。

譲渡所得税の特例について

譲渡所得税には特例や控除が存在します。相続不動産を売却する際にもし要件に当てはまるならば、この特例を活用しましょう。具体的には、空き家特例の利用や取得費加算の特例があります。

空き家特例

被相続人が一人で住んでいた住宅を、相続した後に売却する際に適用される特例で、譲渡所得から3000万円を控除できます。例えば、被相続人が一人で住んでいた家屋を相続し、その後売却したケースです。相続人は、3000万円の特別控除を利用して、譲渡所得税を大幅に軽減することができます。

主な適用要件:

  • 相続開始直前まで被相続人が居住していた家屋であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • マンションではないこと
  • 相続開始直前に被相続人以外で居住していた者がいないこと
  • これまで人に貸していないこと
  • 相続日から3年目の12月末日までに売却すること
  • 平成28年4月1日から令和9年12月31日までに売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること

注意点

  • 空き家特例を適用するためには、事前に市町村役場および税務署に申請を行う必要があります。
  • 適用要件を満たしているかどうかを確認するために、税理士等の専門家に相談することをお勧めします。

取得費加算

相続税を支払った場合、その相続税額の一部を取得費に加算できる特例です。これにより、譲渡所得を減少させることができます。具体的には、相続税の申告期限内に支払った相続税額のうち、土地や建物にかかる部分が取得費として認められるため、売却時の課税対象金額が少なくなります。

適用要件:

  • 被相続人が取得した不動産を売却する場合に適用されます。
  • 相続税の申告期限内に支払った相続税額の一部が対象となります。
  • 被相続人が亡くなってから3年10ヶ月以内に売却すること。

注意点:

  • 取得費加算を適用するためには、事前の相続税の申告が必要です。
  • 相続税額の計算や申告手続きは複雑なため、税理士に相談することをお勧めします。
  • 加算できる相続税額には上限があるため、事前に確認することが重要です。

専門家の役割

日本相続知財センター札幌を窓口にした専門家連携

相続不動産を売却する際には、専門家のサポートが不可欠です。日本相続知財センター札幌では、税理士や不動産業者と連携して、総合的なサポートを提供しています。

税理士は、税金対策や申告のサポートを行います。譲渡所得税の計算や、特例の適用方法についてのアドバイスを受けることができます。税理士の助言を受けることで、税金を最小限に抑えることが可能です。

不動産業者は、売却支援や査定を担当します。不動産の評価を正確に行い、市場価値を基に適切な売却価格を設定します。また、購入希望者を見つけるための宣伝活動や、価格交渉のサポートも行います。不動産業者の協力を得ることで、スムーズな売却が可能となります。

日本相続知財センター札幌は、これらの専門家と連携して、相続不動産の売却をスムーズに進めるための支援を行います。どの専門家に相談すべきか迷ったときや、手続きに不安がある場合は、ぜひ日本相続知財センター札幌にご相談ください。専門家が一丸となって、最適なサポートを提供します。

よくある質問(Q&A)

  • 相続登記を行わずに不動産を売却することはできません。相続登記を行うことで、正式に相続人としての権利が確定し、売却手続きを進めることが可能となります。相続登記を行わないと、不動産の所有権が不明確なままとなり、買い手が見つからない可能性があります。

  • 相続した不動産を売却する際には、譲渡所得税や住民税などがかかります。譲渡所得税は、不動産の売却によって得た利益に対して課される税金で、取得費や譲渡費用を差し引いた金額に対して20.315%の税率が適用されます(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)。具体的な税額は、税理士に相談して計算してもらうことをお勧めします。

  • 不動産売却の際には、いくつかの税金特例を利用することで、税負担を軽減することができます。代表的な特例としては、「空き家特例」と「取得費加算の特例」があります。

    ・ 空き家特例: 被相続人が一人で住んでいた家屋を相続し、その後売却する際に、譲渡所得から3000万円を控除できる特例です。適用条件には、売却時に空き家であること、売却価格が1億円以下であることなどがあります。

    ・取得費加算の特例: 相続税を支払った場合、その相続税額の一部を取得費に加算できる特例です。これにより、譲渡所得を減少させることができます。適用条件には、相続税の申告期限内に支払った相続税額の一部が対象となること、被相続人が亡くなってから3年10ヶ月以内に売却することなどがあります。

この記事の監修者

一般社団法人 一般社団法人日本相続知財センター札幌 常務理事 成田 幹

一般社団法人 日本相続知財センター札幌
常務理事 成田 幹

2012年行政書士登録。2014年日本相続知財センター札幌 常務理事に就任。遺言・任意後見・家族信託などのカウンセリングと提案には実績と定評がある。また、法人経営者の相続・事業承継支援の経験も豊富で、家族関係に配慮した提案が好評。

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