LINE連載 「困った相続人」アーカイブ(#1〜#5)

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虎震(トラブル)家の困った相続人①「オレは長男だからな!」

虎震家では、お父さんが亡くなり、遺産分けの話合いが始まりました。 

相続人は長男の一郎、次男の二郎、長女の花子の3人。お父さんは生前に遺言書を残していませんでした。 

一郎は自分がお父さんの面倒を見てきたと強調し、「お前ら黙ってろ。オレは長男だからな!」と高圧的な態度で家全体の相続財産を独占しようと主張し始めました。 

しかし、次男の二郎や長女の花子はそれに納得できません。 彼らも父親を支えてきており、一郎の主張は不公平だと感じたのです。

親族会議が何度も開かれましたが、毎回議論が紛糾し、兄弟間の対立が深まり、家庭内の雰囲気も険悪になっていきました。

虎震(トラブル)家の困った相続人②~まずは冷静に

親族会議での対立が激化する中、二郎と花子のはらわたは煮えくり返っています。 
そんなとき、二郎は以前、「交渉事では冷静さを欠いた側が負ける」と「孫子」か何かで読んだことを思い出しました。

 教訓①:「まずは冷静に。そして、客観的事実を探る」 

そこで、冷静に次のステップを考えることを怒りを抑えながら相談し、遺産の内容を徹底的に調べ、話し合いの前提となる土台を固めることにしました。 

まずはお父さんの銀行口座の残高確認や取引履歴、支払いの履歴、所有する不動産の評価額の査定などを詳細に把握しよう。話し合いの土俵を作らなきゃ、ということにしたのです。

調べると、銀行口座の取引履歴に数十万円〜数百万円の複数の使途不明金を発見。

 また、お父さんが「俺の金庫には1000万円あるんだ」と自慢していた金庫の中の現金の行方が不明。

 「兄貴、まさか・・・?」 

教訓②:「何かを強硬に主張する人は裏事情を抱えている可能性が高い」

虎震(トラブル)家の困った相続人③~「開き直り作戦」 

二郎が、まず口火を切りました。 

「兄さん、お父さんの口座からお金が下ろされてて使途不明になってて。金庫のお金も無くなってるみたいなんだけど。。」

 一郎は冷静に答えました。

「あ、それ、全部父さんのために使ったよ。」 

「え?!何に使ったの?明細とか領収書ある?」 

「食費とか病院への送り迎えとかだと思うけど、あんまり覚えてない。レシートとかもう捨てちゃったし、残ってないよ。」 

たまらず花子が声を上げました。

「1,000万円以上だよ(!)覚えてないわけないじゃない!?おかしいわよ、それ!」

 一郎は不満そうに反論しました。

「いや、無いものは無い。自分達のためには使ってない!」 

二郎と花子は困惑して顔を見合わせました。

「やはり、ダメか・・・」

虎震(トラブル)家の困った相続人④~事前にできた対策とは?

「これからの家庭裁判所での調停は長い道のりになりそうだな」

二郎はため息をつきました。 

花子は

「まあ、一郎兄さんは最後までとぼけ通すだろうしね。でも向こうも使い込みじゃない証拠もないだろうし、こちらが一方的に不利とも言えないわよね。」

と前向きです。

「それにしても、こんなことになる前に何か手立てがあったはずだよね?例えばさ、話し合いしないように、お父さんに遺言書を作ってもらえばよかったかな…」 

「それはそうね。平等に三等分でもいいから遺言書は必要だったかもね。だけどね、二郎兄さん、遺言書作っても先に使い込みされちゃ結局意味ないかもよ!」

 「確かに!『遺言書なんて知るか!』って一郎兄さん使い込みしちゃいそう(笑)。笑い事じゃないけど…何をすべきだったのかな?」

花子は少し考えてから、

「定期的にきょうだいで家族会議を開き、お父さんの財産や収支についてオープンに話し合うべきだったと思う。 親のお金や財産のことって中々言い出しづらいじゃない?だけど、あえてそこを突っ込んでいけたら、今回みたいな使い込みは防げたかもね。まずはその関係性づくりから始めるべきだったのかもしれない。」

 教訓③:「親の生前から、きょうだい同士のコミュニケーションを密に!」

虎震(トラブル)家の困った相続人⑤~事前対策その②」 

「なあ、花子、さっき言ったように遺言書を作るのはもちろんだけど、他にもお父さんの生前にやっておいたほうが良かった方法があったんだろうか…」

二郎は考え込みました。

「金庫にあった1,000万円。あれって結局お父さん使ってなかったでしょ?だったら、あのお金で父さんが生前に生命保険に加入していれば… 死亡保険金は遺産分割の対象にならないって言うし、一郎兄さんの使い込みを避けられたかもしれないわ」

と花子。 

「そっか。そして受取人を3人にして3等分してもよかったかもね。生命保険は確かにいい手段だったな。他にはどうだろう…生前贈与なんかも有効だったんじゃないか?」

二郎は続けました。 

「そうね。生前贈与なら、少しずつ3人へ財産を分けるから、遺産を分ける際のトラブルを減らせるかもね。」

花子は頷きました。

「要はさ、お父さんの死後に話し合うようじゃ遅かったってことだよな。 さっきの話につながるけど、家族で生前に徹底的に話し合って、お父さんを説得して対策してもらうのがきっと最良の策だったってわけだ」

と二郎。

 「そうね。もしくは、もしお父さんが対策するのを嫌がっても、きょうだい3人で先に話し合ってお互い裏切らないように同意しておくだけでも違ったわよね。 やっぱり、もっと早くから動くべきだったわ…」

花子は深くため息をつきました。 

教訓④:「親の生前に、勇気を持って、親きょうだいで徹底的に話し合う!」


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