疎遠な親の死亡連絡がこない場合についての注意点・相続手続等について

親が亡くなるということは、多くの人にとって心理的にも手続き上も大きな負担となります。特に親と疎遠になっていたり、離婚や再婚によって家庭状況が複雑化している場合、死亡の連絡を受けること自体が困難になることがあります。この記事では、そんな時にどのような手続きを進めるべきか、相続人として知っておくべき情報を解説します。

親の死亡を知らせる連絡が来ない状況について

親と疎遠になっていた場合の連絡について

親子関係が疎遠になっていると、親の死亡連絡が直接自身に届くことは少ないです。孤独死のケースでは、警察が身元調査を行い、最終的に親族や相続人へ連絡する場合があります。しかし、そのプロセスには時間がかかることもあり、速やかな対応が求められる場合には問題となります。

死亡通知が届かない主な理由

通知が届かない理由としては、住所変更後の連絡先未更新、親族間の関係悪化、または戸籍上の問題などが考えられます。このような状況では、自ら情報を収集する必要があります。役所や警察への問合せ、亡くなった親が生前住んでいた地域の市区町村役場への訪問が有効です。

死亡連絡が来た時の対応方法

死亡証明書を取得する

死亡証明書は、遺体の発見された場所の市区町村役場で発行されます。この証明書は、相続手続きを進める上で基本となる重要な書類です。葬儀や火葬の手配、遺品の整理など、初期段階で必要な手続きが多くありますので、速やかに取得しましょう。

相続手続の初期ステップ

相続手続きを開始するためには、戸籍謄本や住民票のコピー、遺言書がある場合はその原本やコピーを集めることから始めます。これらの書類をもとに、相続人全員の確定作業を行います。また、被相続人の財産や借金の調査も同時に進める必要があります。

遺産相続手続と準備すべき書類

遺産相続手続きの全体概要

遺言がない場合の遺産相続の手続きは、大きく分けて遺産の調査、相続人の確定、遺産分割協議、相続税の申告といった流れになります。これらの手続きを進める上で、相続人間での協議が円滑に行われることが理想ですが、トラブルが発生することもあります。そのため、弁護士や税理士、司法書士などの専門家に相談することが重要です。

必要な書類について

相続手続きを進めるためには、戸籍謄本、住民票のコピー、死亡証明書、不動産登記簿謄本、遺言書(存在する場合)、相続放棄申述受理証明書(相続放棄をする場合)などが必要になります。これらの書類を集める作業は手間がかかりますが、相続の全体像を把握するためには欠かせません。

相続人の確定についての注意点~音信不通の相続人を探す方法

音信不通の相続人がいる場合、市区町村役場で戸籍の調査を行い、その相続人の所在を探ることも可能です。この作業は時間と費用がかかる場合がありますが、相続手続きを進める上で避けて通れません。また、民間の調査会社に依頼することも一つの方法です。ただし費用は数十万円以上〜と高額になる場合もあります。

遺産分割協議書の作成方法

遺産分割協議が全員の合意のもとで成立した場合、その内容を遺産分割協議書に記載し、相続人全員で署名捺印します。この協議書は、後々のトラブルを避けるためにも、預貯金や不動産などの帰属等について、具体的な分割内容を明確に記載することが重要です。

分割協議が成立しない時の対応策

協議が成立しない場合は、調停や裁判を通じて解決することになります。これには時間と費用がかかるため、事前に専門家に相談し、可能な限り円滑に協議が進むよう努めることが重要です。

疎遠だった親の借金と相続

相続財産と借金の相続

相続は、財産だけでなく借金も含まれます。亡くなった親が多額の借金を残していた場合、相続人は相続放棄や限定承認を検討する必要があります。これにより、自身の財産を守りつつ、借金の責任から逃れることが可能です。

相続放棄と限定承認の選択肢

相続放棄は全ての相続財産を放棄することを意味しますが、限定承認は相続する財産の範囲を亡くなった人の負債の範囲内に限定する手続きです。どちらの選択も重大な決断であるため、専門家と相談しながら慎重に判断することが必要です。

相続放棄の手続と期限

相続放棄は、被相続人の負債が財産を上回る場合などに検討されます。相続放棄をする場合、死亡の知らせを受けてから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。この期限を過ぎると、原則として放棄する権利を失うため、注意が必要です。

疎遠だった親の借金と相続

相続は複雑な手続きが多く、専門的な知識が必要です。適切な専門家に相談し、事前に準備を進めておくことで、相続に関するトラブルを未然に防ぐことが可能です。日本相続知財センター札幌では当センターが窓口となり、相続手続きの各プロセスに応じて税理士・弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士、さらには土地家屋調査士や不動産鑑定士などの専門家とお客さまをおつなぎしております。ぜひ一度当センターへご相談ください。

疎遠な親が死亡した際の手続きに関するよくある質問

  • 遺体の引き取りを拒否することは可能ですが、その場合、遺体は通常、自治体が指定する公営の斎場や施設にて処理されます。遺体引き取り拒否の意思表示は、書面で行うことが必要です。なお、費用は最終的に故人の遺産から支払われる可能性があります。

  • 離婚した親が亡くなった場合、自動的に連絡が来る保証はありません。連絡が来るかどうかは、故人が生前に手配していたか、またはその他の家族や関係者が連絡を取るかによります。法的に通知義務があるわけではありません。

  • 相続連絡に関して法的な義務は特に定められていませんが、相続人には遺産分割協議への参加権利があります。相続人同士で連絡を取り合い、相続手続きを進めることが一般的です。遺産管理が関わる場合、関係者への適切な通知が望ましいとされています。

  • 親が生きているか確認する方法としては、住民登録されている市区町村役場に問い合わせる、または警察に協力を求める方法があります。ただし、プライバシーの観点から、直接的な関係性や適切な理由が必要になる場合があります。必要に応じて法的な手続きを踏むことが求められることもあります。

この記事の監修者

一般社団法人 一般社団法人日本相続知財センター札幌 常務理事 成田 幹

一般社団法人 日本相続知財センター札幌
常務理事 成田 幹

2012年行政書士登録。2014年日本相続知財センター札幌 常務理事に就任。遺言・任意後見・家族信託などのカウンセリングと提案には実績と定評がある。また、法人経営者の相続・事業承継支援の経験も豊富で、家族関係に配慮した提案が好評。

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