遺言書作成を誰に頼むべきか?専門家とその役割を解説!
遺言書の作成は、将来の相続トラブルを避けるために非常に重要です。しかし、「遺言書作成を誰に頼むべきか?」という疑問を抱く方も多いでしょう。本記事では、遺言書作成の依頼先として選ばれることの多い専門家たちの役割や費用、メリット・デメリットを詳しく解説します。
目次
遺言書作成の基本と重要性
遺言書の種類とその特徴
遺言書にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴と利点があります。主な遺言書の種類として、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。
自筆証書遺言は、遺言者が自分で全文を手書きし、署名押印する形式です。手軽に作成できる反面、形式に不備があると無効になるリスクがあります。また、保管場所や紛失のリスクもあります。
公正証書遺言は、公証人が作成し、公証役場で保管される遺言書です。法的に確実性が高く、遺言書の内容が確実に実行される利点があります。しかし、作成には費用がかかり、承認が必要などの手間もあります。
秘密証書遺言は、内容を秘密にしたまま遺言書を作成し、公証人と証人の前で封印する形式です。内容を誰にも見せずに作成できる一方で、遺言書が無効になるリスクや、保管場所の問題が残ります。
遺言書の種類については、「遺言書の種類別に見るメリットとデメリット。最適な遺言書を選ぼう!」、公正証書遺言については「公正証書遺言とは?メリット・作成手順を解説」でわかりやすく説明していますので、ご参照ください。
遺言書作成の重要性
遺言書を作成することで、相続人間のトラブルを防ぎ、自分の意志を確実に反映させることができます。例えば、特定の相続人に多くの財産を遺したい場合や、特定の財産を特定の相続人に遺したい場合など、遺言書がなければ遺産分割協議によるため、自分の意志が反映されないことがあります。
また、遺言書があることで、相続手続きがスムーズに進み、相続人が不必要なトラブルに巻き込まれるリスクを減らすことができます。
なお、令和5年の1月から12月までの1年間に全国で作成された遺言公正証書は、11万8981件でした。一方、厚生労働省が公表した「人口動態統計月報(概数)」を見てみると、令和4年度で156万8961人が死亡していることから、遺言書の作成率は7.5%程度であることがわかります。
つまり、遺言書の作成を行っている方自体は非常に少ないということです。上記のトラブル回避のためにも、もっと活用すべきだと考えています。
遺言書を作成しない場合のリスク
遺言書がない場合、法律に基づいた遺産分割が行われますが、相続人間での争いが発生する可能性があります。例えば、家族構成が複雑な場合や、再婚している場合など、遺言書がないことで相続人間のトラブルが発生するリスクが高まります。
また、遺言書がない場合、特定の相続人に多くの財産を遺したい場合や、特定の財産を特定の相続人に遺したい場合など、自分の意志が反映されないことがあります。
遺言書作成を誰に頼むべきか?
遺言執行者を誰にすべきか?という観点
遺言執行者は、遺言書の内容を実際に執行する責任を持つ人です。遺言執行者には、遺産分割や財産の管理、税務手続きなど、様々な業務が求められます。遺言執行者を選ぶ際は、信頼性と専門知識が重要です。信頼できる家族や友人を選ぶこともありますが、基本的には、業務を熟知した専門家に依頼することを検討すべきです。また、個人経営の専門家の場合、遺言者より先に亡くなってしまうこともあるため、弁護士法人、行政書士法人、一般社団法人などの団体のほうがより安全です。
税務を理解していることの重要性
遺言書作成には税務の知識が重要です。遺産に対する事前の相続税の計算・シミュレーションには専門的な知識が必要です。税理士などの税務の専門家に相談することで、最適な相続税対策を講じることができます。また、税務の知識を反映させない遺言を作成した場合に、遺言執行時に相続税に関してのトラブルが生じたりするケースもあり、作成時に税務の知識がある専門家にも税務計算などを依頼することで、これらのリスクを回避することができます。
どの専門家に依頼すべきか?
上記からすると、遺言作成や遺言執行を熟知している専門家で、税務を理解しており、かつ、遺言執行のために団体機能を有している専門家に依頼するのが良いと言えます。その意味では、相続専門税理士がグループに在籍し、一般社団法人として遺言作成サポートや遺言執行業務の経験豊富な日本相続知財センター札幌が適任と言えます。
専門家の役割
税理士の役割
税理士は、遺産に対する相続税の計算や税務処理を行います。相続税は遺産の評価額によって異なり、正確な評価と申告が必要です。税理士はこれをサポートし、適正な相続税を計算します。税理士のアドバイスを受けることで、税務に関するリスクを最小限に抑え、最適な税務対策を講じることができます。
例えば、親から子への生前贈与を利用して相続税対策する方法や、不動産の評価を見直して税額を減らす方法など、税理士は様々な税務上のメリットを提供します。さらに、税務に関する専門知識がない場合でも、税理士の助けを借りることで、適切な申告書の作成や税務手続きをスムーズに進めることが可能です。
日本相続知財センター札幌の役割
日本相続知財センター札幌は、遺言書の作成サポートを行っています。公正証書遺言を中心に作成サポートを行い、初回面談の対応から公証役場との連絡調整まで完成まで一気通貫でサポートしています。また、遺言執行業務も行っております。
よくある質問(Q&A)
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公正証書遺言の作成には、公証人手数料や証人報酬がかかります。費用は遺産の評価額によって異なり、遺産総額が高いほど手数料も高くなります。一般的には、数万円から数十万円程度が目安です。詳細な費用については、依頼する専門家に直接確認することをお勧めします。
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遺言執行者には、遺言の内容を実行する責任があるため、信頼性と専門知識が重要です。家族や友人を選ぶ場合でも、法律や税務の知識がない場合は、専門家と協力することが推奨されます。また、団体経営の専門家(弁護士法人や一般社団法人など)を選ぶことで、遺言執行者の早逝などのリスクを避けることができます。
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はい、可能です。ただ、遺言作成の過程で税理士に相談することで、相続税の計算や最適な税務対策をサポートしてもらえます。
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公正証書遺言は、公証人が作成し公証役場で保管されるため、法的確実性が高く安全です。一方、保管制度を利用しない自筆証書遺言は、自分で手書きするため費用がかからず手軽ですが、形式に不備があると無効になるリスクがあります。どちらを選ぶかは、状況や希望に応じて検討が必要です。
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日本相続知財センター札幌は、遺言書の作成サポートを行っています。公正証書遺言を中心に作成サポートを行い、初回面談の対応から公証役場との連絡調整まで完成まで一気通貫でサポートしています。また、遺言執行業務も行っております。
この記事の監修者
一般社団法人 日本相続知財センター札幌
常務理事 成田 幹
2012年行政書士登録。2014年日本相続知財センター札幌 常務理事に就任。遺言・任意後見・家族信託などのカウンセリングと提案には実績と定評がある。また、法人経営者の相続・事業承継支援の経験も豊富で、家族関係に配慮した提案が好評。